「新築か中古か、フルリノベか部分リノベか」──家を探し始めたころ、私もずっと迷っていました。
結論から言うと、わが家は**築22年の中古戸建てを買って、フルリノベではなく約700万円の「部分リノベ+リフォーム」**を選びました。
そして、ここが一番お伝えしたいことです。間取りに大きな不満がない中古住宅なら、フルリノベをしなくても十分快適に暮らせます。 実際に住んでいる今でも、この選択は正解だったと感じています。
わが家がフルリノベを選ばなかった理由
- 土地を優先したかった(立地は後から変えられない)
- 間取りに大きな不満がなかった
- 予算は住宅の購入そのものに回したかった
- 約700万円の部分リノベで、十分満足できると判断した
この記事では、なぜフルリノベにしなかったのか、700万円で実際にどこまで直したのか、そして得だったこと・大変だったことを、正直にまとめます。これから中古を検討している方の参考になればうれしいです。
まず、わが家のリフォーム概要
お金や条件の話は気になりますよね。最初に出しておきます。
| 項目 | わが家 |
|---|---|
| 築年数 | 22年(購入時) |
| 購入価格 | 2,000万円台 |
| リフォーム費用 | 約700万円 |
| 間取り変更 | なし(吊戸棚など一部撤去のみ) |
| 水回り交換 | あり(キッチン・お風呂・トイレ2つ) |
| 外壁 | あり |
リフォーム費用700万円は決して安くありません。でも、フルリノベーションなら1,000万円を超えるケースも多いなか、わが家は必要な部分だけに絞ったことで予算を抑えられました。同じ予算で新築を建てることを考えると、立地も広さもランクアップできたというのが、わが家の実感です。なぜそう思うのか、順番に書いていきます。
わが家がフルリノベを選ばなかった理由
立地は、あとから変えられないから
わが家は車を1台で済ませたかったので、駅が近いことが必須条件でした。もし結果的に「終の棲家」になっても、車がないと生活できない場所はリスクが高いと感じていたからです。
でも、注文住宅だと土地代だけで1棟建ってしまう。新築の建売は、価格を抑えるためか同じLDKでも家が小さめの物件が多い。中古なら「いい立地」で「広さ」も確保しやすかったんです。立地は後から絶対に変えられないので、ここは妥協したくありませんでした。
物件探しのとき、不動産会社の方に言われて印象に残ったのが**「上モノ(建物)より、信じられるのは土地」**という言葉です。同じ予算でも、中古なら「建物は控えめ、土地の価値が大きい」という買い方ができる。建物は古くなれば価値が下がりますが、土地の価値は残りやすい。万が一手放すことになっても売りやすい家を、と考えました。

間取りに不満がなく、変更が不要だったから
フルリノベの一番の強みは「間取りを丸ごと変えられる」ことです。でも、わが家が選んだ物件は、もともとの間取りに大きな不満がありませんでした。
間取りを変えないなら、フルリノベ(スケルトンにして作り直す)までする必要はありません。気になる一部だけ手を入れれば十分だと判断しました。
予算は、物件そのものに回したかったから
戸建てのフルリノベは、かなり高額で大掛かりになると知りました。だったらその分の予算を、リフォームではなく物件(=立地と広さ)に回したいと考えました。
「どこにお金をかけて、どこを我慢するか」のメリハリ。これが、限られた予算で満足度を上げるコツだと思います。
700万円の部分リノベで、十分満足できると判断したから
完璧な物件を探そうとすると、いつまでも決まりません。それに住んでみないと分からないこともたくさんあるし、子どもの成長でライフステージも変わります。
わが家は心のどこかで「ここに一生住む」とは思っていなくて、いつか売るかもしれない、を前提にしています。だからこそ、全部を一新するのではなく、必要なところだけ直す部分リノベで十分だと考えました。
フルリノベと部分リノベ、費用はどれくらい違う?
ざっくり言うと、リフォームは傷んだところを直す工事、リノベーションは間取り変更や性能アップまで含む大規模な工事です(明確な線引きはなく、会社によって使い方は違います)。
気になる費用ですが、調べてみると、戸建てのフルリノベーションは一般的に1,000万〜1,500万円以上が目安と言われています(情報源によって幅があり、工事範囲や設備グレードで大きく変わります)。戸建ては屋根・外壁・耐震・断熱まで手が入りやすいぶん、マンションより高くなる傾向があるそうです。
さらに見落としがちなのが、仮住まいの費用です。フルリノベは住みながらの工事が難しく、数か月の引っ越し&仮住まいで、総額100万円を超えるケースもあると言われています。
その点、わが家の部分リノベは約700万円。間取りを大きく変えなかったぶん、フルリノベほどの大掛かりな工事にはなりませんでした。子育て中の家計にとって、この差はかなり大きかったです。
700万円で、実際にどこを直したか
「700万円で何ができるの?」が一番気になるところだと思うので、やったことを表にまとめました。
| 工事 | 実施 |
|---|---|
| キッチン | ◯ |
| 浴室 | ◯ |
| トイレ(2か所) | ◯ |
| 全部屋の床(上張り) | ◯ |
| 壁紙 | ◯ |
| 内窓 | ◯ |
| 外壁 | ◯ |
| 扉(3枚) | ◯ |
| シューズボックス | ◯ |
| 間取り変更 | △(吊戸棚など一部撤去のみ) |
| 屋根 | なし(瓦屋根のため不要) |
この700万円には、解体費・処分費も含まれています。屋根は、外壁とあわせて工事が必要になることも多いそうですが、わが家は瓦屋根だったため不要でした。これも費用を抑えられた一因です。
※洗面台は工事中に業者さんが壊してしまったので業者さん負担、バルコニーなどは売主さん負担でした。
この中で、「しっかり変えたところ」と「直すだけにしたところ」のメリハリをつけました。
リノベ的に、しっかり変えたところ
- リビングの吊戸棚を外して、壁をぶち抜いた … リビング全体が見渡せるようになりました。匂いが広がるデメリットはありますが、子どもの姿がちゃんと見えるし、何より部屋が明るくなったのが大きいです。
- 玄関とリビングの間の扉を、開き戸から引き戸(上吊り戸)に … 業者さんのアドバイスでした。掃除がラクだし、扉が動くスペースがいらないぶん部屋が広くなりました。
リフォーム的に、直すだけにしたところ
- 2階は最低限にしました。未就学児がいる家庭だと、2階は寝るときくらいしか使わないんですよね。ここにお金をかけなかったぶん、1階の満足度を上げられました。
700万円の詳しい内訳は、こちらの記事で公開しています。
中古+部分リノベにして「得だった」こと
実際に暮らしてみて、新築と比べて得だったと思うのはこんなところです。
- 固定資産税が安い … 建物が古いぶん、税金の負担が軽いのは地味にうれしいポイント。
- 悪い箇所を、売主さん負担で直してもらえた … これが本当に大きかった(後述)。
- 内窓で静かで快適 … 駅が近いぶん音が気になるかと思いきや、内窓のおかげでとても静かです。
ホームインスペクションで、隠れた不具合を直してもらえた
中古を買うとき、**専門家による住宅診断(ホームインスペクション)**を受けました。これが大正解でした。
たとえば、自分たちでは見落としていたバルコニーの雨染みらしきあと。その場では雨漏りか断定できず、「リフォームで剥がしてみないと分からない」と言われました。ほかにも断熱材が入っていない箇所や、お風呂場の入口部分の腐食など、プロでなければ気づけない指摘がいくつもありました。
ありがたかったのは、これらが契約不適合責任の期間内だったこと。引き渡し後の一定期間に見つかった不具合は売主さんが対応してくれる仕組みで、わが家はその範囲だったため、売主さん負担で直してもらえました。あとから聞いたところ、バルコニーの補修だけでも100万円ほどかかったそうです。もし自費だったら……と思うと、インスペクションを受けておいて本当によかったと思います。
自分たちだけでは絶対に気づけなかった部分です。中古を買うなら、ホームインスペクションは本当におすすめします。
▼ あわせて読みたい
住宅診断(ホームインスペクション)の体験談はこちら。
→ 中古戸建てのホームインスペクション、正直意味あった?
逆に「大変だった・想定外だった」こと
いいことばかりではありません。正直に書いておきます。
- 工期は延びるもの、と思っておく … わが家は本来「リフォームを終えてから入居」する予定でした。でも部材が届かなかったりトラブルがあったりで工期が延び、結局一部は住みながらの工事に。中のリフォーム自体は約2か月。内窓(インプラス)だけは後回しになり、入居後しばらくしてからの取り付け(作業は1日で完了)……という流れでした。「工期が延びる」のは、どうやらあるあるみたいです。これから検討する方は、入居スケジュールに余裕を持たせておくと安心です。
- 家の中以外のリスク … 木の柵がシロアリに侵食されていました。建物だけでなく、敷地まわりにも目を向ける必要があると痛感しました。
- ご近所付き合いは、住む前に少し探っておく … 新築の分譲地と違い、中古は周りに年配の方が多いこともあります。距離感や常識が自分たちと違う場合もあるので、居住中の物件なら、どんな方が近所にいるか不動産会社を通して軽く聞いておくと安心です。
- 町内会・自治会の活発さ … お祭りが盛んな地域だと、若手は何かと駆り出されることがあります。自治会の活動が活発かどうかも、確認しておいたほうがよさそうです。
- 1階と2階の温度差 … 戸建ては夏の2階がとにかく暑い。これは住んでみて初めて分かりました。
中古+リフォームで一番大事なのは「会社選び」
最後に、いちばん大事なことをお伝えします。それはリフォーム会社選びです。
わが家も複数社を比較しましたが、同じ工事内容でも、見積金額・提案内容・担当者との相性は会社によって本当に違いました。 数十万円の差が出ることも珍しくありません。比較したからこそ、納得して依頼先を決められました。
一社ずつ問い合わせるのは、時間も気力もいります。「まず相場だけ知りたい」という方は、条件を入れるだけで複数社の見積もりをまとめて比較できる無料サービスから始めるのも手です。
こんな人には「部分リノベ」がおすすめ
ここまでの内容を、タイプ別にまとめます。
部分リノベ+リフォームが向いている人
- 間取りに大きな不満が少ない
- 立地(駅近など)を優先したい
- リフォーム予算を抑えたい
- 子育て中で、お金にも心にも余白を残したい
フルリノベが向いている人
- 間取りを大きく変えたい
- 断熱・耐震など、性能も全部新しくしたい
- その家に長く住む予定がはっきりしている
わが家は前者だったので、部分リノベを選びました。あなたがどちらに当てはまるかで、答えは変わってきます。
これから中古を買う人へ
最後に、これから「中古を買ってリフォーム・リノベーションしようかな」と迷っている方へ。
完璧を求めすぎないでください。
家は、住んでからでも少しずつ手を入れていけます。最初から全部を一度にリフォームしたり、設備を全部新品にそろえたりすると、壊れる時期まで一気に重なってしまうんです。お財布にも心にも、余白を残しておくのが大事だと思います。
わが家も、子どもに壁紙をカリカリ剥がされ、落書きされ、ジュースをこぼされ、気づけばあちこちにシールを貼られています(笑) でも、お金をかけすぎていなかったから、笑って許せているんだと思います。
肩の力を抜いて、あなたとご家族に合った住まいを見つけてくださいね。
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すみママ|中古戸建てに、夫と子ども2人の4人暮らし。





