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中古戸建てを買ったわが家では、外壁塗装に約130万円かかりました。
リフォームはいろいろやりましたが、単独の工事としては、これがいちばん高い項目でした。
「130万円」と聞くと、高く感じますよね。私もそう思いました。
ただ、あとから見積書を見返して分かったのですが、外壁塗装は「塗るだけ」の工事ではありませんでした。洗って、ひび割れを直して、目地のゴムを入れ替えて……という工程が全部入っています。その内訳も、この記事で出します。
そしてもうひとつ。家を探していたころ、私はこう思っていました。
「外壁塗装が済んでいる物件のほうがいい」
調べると、そう書いてあるからです。100万円級の出費がいらないなら、そのほうがいいに決まっている、と。
でも実際に買ったのは、塗装していない家でした。そして自分たちで塗りました。
3年住んだ今、あのとき塗装済みじゃなくてよかったと思っています。
築22年の中古戸建てを買った、わたし自身の記録です。
そもそも、外壁塗装ってそんなに大事なの?
正直に書きます。家を探し始めたころの私は、家の知識がまったくありませんでした。
外壁の塗り替えなんて、見た目をきれいにするためのものだと思っていたんです。
調べて、青ざめました。
塗装が劣化する → 外壁にひび割れができる → そこから雨水が入る → 内部の木材や構造が傷む
外壁の塗装は、家そのものを守るための膜でした。見た目の話ではなかったんです。
そして一般に、15年に1度くらいは塗り替えが必要と言われています。
わが家が買ったのは、築22年の家。
……計算が合いません。めちゃくちゃ不安になりました。
実際に、ひび割れらしきものがありました
不安なまま家を見ていたら、本当に見つけてしまいました。壁に、ひび割れのようなもの。
もう頭の中は「雨水が入って、家がダメになってるのかも」でいっぱいです。
打ち合わせのときに、リフォーム会社の方に同行してもらう機会があったので、その場で指摘して、見てもらいました。
返ってきた答えは、こうでした。
「これは表面だけなので、大丈夫ですよ」
ものすごく安心したのを覚えています。
そして3年後、書類を見て気づいたこと
この記事を書くために、当時の見積書を引っぱり出してきました。そこに、こんな項目がありました。
下地補修工事(クラック・浮き等)
クラック=ひび割れのことです。
つまり「大丈夫ですよ」は、「放っておいていい」ではなかったんです。塗る前にちゃんと直す工事として、最初から見積もりに入っていました。
私は「大丈夫」の一言で安心して、そのあと何も確認していません。でも実際には、塗装の下できちんと補修されていた。3年たって、やっと分かりました。
素人には、区別がつきません
このとき分かったのは、ひび割れには「大丈夫なもの」と「まずいもの」があるということでした。
塗膜の表面だけの細いひびと、構造まで達しているひびは、まったく意味が違います。でも見た目では、素人には判断できません。私にはまったく分かりませんでした。
だから、気になったところは、その場で指をさして聞くしかありません。 私がそうしたのも、詳しかったからではなく、ただ不安だったからです。
わが家はこのあと住宅診断(ホームインスペクション)も入れました。そちらでは別の傷みが見つかって、売主さん負担で100万円以上の補修につながっています。
正直に言うと、そんなにいい物件ではなかったと思う
これは、あとから思ったことです。
本当に条件のいい中古なら、市場に出る前に業者さんが買い取っています。 私たちが見られる物件は、多かれ少なかれ「手を入れる前提」のものなんですよね。
だから「傷んでいるところがある」のは、当たり前だったんです。
大事なのは、傷んでいるかどうかではなく、どこがどう傷んでいて、いくらで直るのか。そこが分かっていれば、怖くありません。
「塗装済みの物件がいい」は本当?
さて、本題です。
外壁塗装は100万円級の出費です。だから「塗装済みの物件を選べば、その出費がいらない」——これはまったく正しいです。
ただ、実際に買って塗ってみて、書かれていないことが2つあると思いました。
① 「いつ塗ったか」が分からないと、意味が半減する
塗装済みといっても、塗ったのが1年前なのか、10年前なのかで話がまったく違います。
塗料にも種類があって、10年もつものと、20年近くもつものがあります。安い塗料で塗ってあれば、思ったより早く次が来ます。
だから「塗装済み」と聞いたら、**「いつ、どんな塗料で塗りましたか」**まで聞けるといいです。分からないと、あと何年もつのかも分からないので。
② 色が、前の人の好みのままになる
これが、私にとっては大きかったところです。
未塗装だったから、自分たちの色にできました
わが家は、元とは全然違う色に塗り替えました。
正直、130万円は痛い出費です。でも塗り終わった家を見たとき、思ったんです。
なんか、新築っぽい。
中は部分リノベなので、全部が新しくなったわけではありません。それでも外側の色が変わるだけで、まったく別の家に見えました。
そして、これがいちばん言いたいことなんですが——
中古の家は好きだけど、前に住んでいた人の影は、できるだけ残したくなかった。
きれいごとじゃなく、そう思っていました。誰かの家だったところに住むわけですから。
内装は水まわりを入れ替えて、床や壁も変えました。でも外側は、色が変わらない限り「前の家」のままなんです。
そこが変わったことで、やっと自分たちの家になった気がしました。
塗装済みの物件を買っていたら、この感覚は得られませんでした。前の人が選んだ色の家に、そのまま住むことになっていたからです。
- 塗装済み … 出費が減る。でも色は選べない
- 未塗装 … 出費はある。でも自分たちの色にできる
どちらが正解ということはありません。ただ**「未塗装=マイナス」ではない**、というのは、探している段階の私に教えてあげたいことです。
外壁塗装の費用|わが家は約130万円
わが家の場合は、こうでした。
| 項目 | わが家 |
|---|---|
| 外壁塗装・防水 | 約130万円 |
| 外壁の種類 | サイディング |
| 塗料 | 2液型溶剤シリコン |
| 屋根 | 工事なし(瓦屋根だったため) |
| 依頼先 | リフォームと同じ一級建築士事務所 |
130万円で、何をやってもらったのか
当時の見積書を引っぱり出してきました。項目を並べると、こうなっています。
| 工事 | 内容 |
|---|---|
| 仮設足場・メッシュシート | 家のまわりに足場を組む |
| 外壁高圧洗浄・清掃 | 汚れを落としてから塗る |
| 下地補修工事(クラック・浮き等) | ひび割れの補修 |
| コーキング打替え(3か所) | サイディングの目地・サッシまわり・入隅 |
| 下塗り(エポキシシーラー) | 塗料の密着をよくする |
| 中塗り・上塗り(2液型溶剤シリコン) | 本番の塗装 |
| 付帯部の塗装 | 雨どい・軒天・鼻隠しなど |
| ベランダの防水(トップコート2回塗り) | 屋根のない床面の防水 |
「外壁を塗る」だけの工事ではありませんでした。
洗って、ひびを直して、目地のゴムを入れ替えて、3回塗って、雨どいまで塗って、ベランダの防水もする。これ全部で130万円です。
分解して見ると、「高い」より先に「そりゃかかるわ」と思いました。
塗料の話|わが家は「2液型溶剤シリコン」
見積書には、こう書いてありました。
2液型溶剤シリコン 中塗り・上塗り
3つの言葉に分かれています。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| シリコン | 塗料のグレード。耐用年数の目安は10〜15年。いちばん多く選ばれる |
| 2液型 | 現場で2つの液を混ぜるタイプ。混ぜない「1液型」より丈夫に仕上がる |
| 溶剤(油性) | 水性より密着と耐久性が高い。においは強め |
塗料には、安い順にウレタン・シリコン・フッ素・無機といったグレードがあります。シリコンは真ん中です。フッ素や無機ならもっと長持ちしますが、そのぶん高くなります。
そして「2液型・溶剤」というのは、シリコンの中でもしっかりしたほうの仕様でした。私はそんなこと何も知らずにお任せしていたので、いま見返して「ちゃんとやってくれていたんだな」と思っています。
だから、これから頼む人はここだけ見ておくといいと思います。
「塗料は何ですか?」
シリコンかフッ素か。1液型か2液型か。水性か溶剤か。
同じ「外壁塗装100万円」でも、中身がまったく違います。
色は「汚れが目立ちにくそうな色」にしました
色は、カタログを見せてもらって決めました。
このとき私たちが考えたのは、汚れが目立ちにくそうな色にしようということでした。誰かに言われたわけではありません。単純に、そう思って選びました。
まっ白やまっ黒は、たしかにかっこいいんです。でも、外壁は雨だれや排気で少しずつ汚れていきます。せっかく130万円かけて塗るのに、数年で汚れが目立ってきたら悲しい——それくらいの考えでした。
素人判断です。でも3年たったいま、目立った汚れは出ていません。あのときの直感は、たぶん当たっていたんだと思います。
屋根と足場の話
屋根の工事がなかったのは、瓦屋根だったからです。瓦は塗装が不要なタイプが多く、ここは運がよかった部分でした。スレート屋根なら、足場を組むついでに屋根も塗ることになって、金額はもっと上がっていたと思います。
そして足場代。外壁塗装は、家のまわりに足場を組まないと工事ができません。これが数十万円かかります。
だから——屋根と外壁は、できるだけ同じタイミングでやったほうが得です。足場を2回組むと、そのぶん丸ごと無駄になります。
外壁だけ別の業者に頼めば、安くなる?
調べていると、こういう方法が出てきます。
外壁は塗装の専門業者、内装は別の業者。バラバラに頼めば安くなる
たしかに理屈は分かります。リフォーム会社を通すと、そのぶんの手数料が乗りますから。
気になったので、リフォームの専門店をちらっと覗きに行ってみました。
結果は——そんなに安くありませんでした。(笑)
もちろん、たまたまその店がそうだっただけかもしれません。店によって違うと思います。ただ、少なくともわが家の場合は「別で頼めば劇的に安くなる」という感じではありませんでした。
そしてもうひとつ、お金以外の問題があります。
日程です。
外壁塗装は足場を組んで、雨が降れば工程がまるごと後ろにずれます。内装工事も同時に進んでいます。業者さんが別々だと、その調整を誰がやるのかという話になります。
答えは、施主です。つまり自分。
平日に電話をして、雨で延びたぶんを組み直して、両方に連絡して……。それを、リフォームの打ち合わせをしながら、仕事をしながら、子どもを見ながらやる。
無理だと思いました。
まとめて1社にお願いしたのは、そこも大きかったです。多少お金がかかっても、日程を全部あちらで組んでくれるのは、想像以上に価値がありました。
正直に言うと、130万円が高いのか安いのか、いまも分かりません
ここまで内訳を書いておいて何ですが、いちばん正直なところを書きます。
私は、この130万円が高かったのか妥当だったのか、いまだに分かりません。
リフォーム会社は3社に相談して比べました。でも、それはリフォーム全体の見積もりです。専門店を覗きには行きましたが、外壁塗装だけの見積もりを取って、金額を並べたことは一度もありません。
比べていなければ、目の前の金額を見て「これが相場なんだな」と思うしかありません。私はそうでした。
いま思うのは、こういうことです。
外壁塗装の見積もりは、契約するかどうかを決めるために取るものじゃない。
「相場はこのくらい」と知るために取るものだった。
数字を1つしか知らないと、それが高いのか安いのかは永遠に分かりません。2つ3つ並べて、はじめて「普通がどのへんか」が見えます。
頼む会社を決めていても、決めていなくても関係ありません。知っておくだけで、目の前の見積書の読み方が変わります。
3年後、外壁はどうなっているか
塗ってから3年。特に問題はありません。
- 雨漏りの気配はゼロ。最近は突然のスコールみたいな雨も増えましたが、それでも大丈夫でした
- 目立った汚れもなし
- 壁をこすっても、白い粉はつきません
- 日の当たらない面にも、藻やカビは出ていません
……と書きましたが、正直に言います。3年で何か起きていたら、そのほうが問題です。
だから、この報告に驚きはありません。「何もない」が正解です。
でも、その「何もない」こそが、130万円の中身だと思っています。外壁塗装は、何かをよくするためではなく、何も起きないためにやる工事だからです。
次に見るのは、10年目くらい
これから塗る人のために、将来のチェックポイントを書いておきます。10年くらい経ったら、この4つを見てください。
| サイン | 見かた |
|---|---|
| チョーキング | 壁を手でこすると、白い粉が指につく |
| コーキングの劣化 | 目地のゴムがひび割れる・やせる |
| 藻・カビ | 日の当たらない面が緑っぽくなる |
| 色あせ・雨だれ | 色が抜ける/窓の下に黒い筋 |
シリコン塗料の目安は10〜15年。うちはあと7〜12年という計算になります。
……たぶん、そのころにはまた「まだいいか」と思うんだと思います。でも今回で分かりました。その「まだいいか」が積み重なると、塗装では済まなくなるんですよね。
外壁は、いちばん後回しにされる場所
家にお金をかけるとき、外壁ってどうしても後回しになります。
当然だと思います。キッチンもお風呂も、毎日自分が使うものです。よくなれば毎日うれしい。でも外壁は、自分ではほとんど見ません。塗り替えても、家の中の暮らしは1ミリも変わらない。
そのうえ130万円です。「来年でいいか」と思う気持ちは、すごくよく分かります。
それでも——やったほうがいいです。
外壁の塗装は、見た目のためではなく、雨水を家の中に入れないための膜です。ここが切れると、内部の木材が傷みます。そうなってからの修理は、塗装どころの金額では済みません。
日本の家は、年数が経つと建物の価値がなくなっていくと言われます。それはそうなんだと思います。
でも、そこに長く住むつもりなら、話は別です。価値が数字にならなくても、家が傷まずに保つかどうかは、住んでいる自分たちの暮らしに直結します。
雨漏りする家に住みたい人は、いません。
まとめ
- 中古戸建ての外壁塗装は、わが家で約130万円。単独の工事ではいちばん高い出費でした
- 中身は「塗る」だけではありません。洗浄・ひび割れ補修・コーキング打替え・3回塗り・付帯部・ベランダ防水まで込みでした
- 塗料のグレードで、もちがまったく違います。「シリコンか/1液型か2液型か/水性か溶剤か」は聞いておく
- **見積もりは「契約するため」ではなく「相場を知るため」に取る。**1社だけだと、高いか安いか永遠に分かりません
- 「塗装済みの物件がいい」は正しい。ただしいつ・どんな塗料で塗ったかまで聞けるとなおいい
- **未塗装は、マイナスばかりではありません。**自分たちの色に変えられます
- 屋根と外壁は、同じタイミングでやると足場代が1回で済みます
- 外壁塗装は見た目のためではなく、家に雨水を入れないための工事です
家を探しているときの私は、外壁塗装を「余計な出費」だと思っていました。
いまは、家を長く保たせるための工事であり、同時に前の人の家を、自分たちの家に変えるための工事でもあったと思っています。
130万円は、安くはありません。でも払ってよかったです。





