この記事で分かること
- 住宅ローンの保証料とは何か(いくら/いつ払う/事務手数料との違い)
- なぜ私は、保証料を引渡しの直前まで見落としたのか
- 金融機関を比べるとき、金利以外に何を見ればいいのか
築22年の中古戸建てを買った、わたし自身の体験を交えて書きます。
結論:住宅ローンは「金利」だけで選ばないでください
金融機関ごとの金利を見せてもらったら、その場でこう聞いてください。
「保証料と事務手数料は、それぞれいくらですか?」
聞けるのは、たぶんその日だけです。
私はこれを聞きませんでした。金利だけを見て1本に絞って、保証料という費用をちゃんと意識したのは、引渡しの直前でした。
そして今も、あのときの判断が正しかったのか、確認できません。
損をしたなら、まだいいんです。金額が分かるので。
私の場合、損したかどうかも分からない。それが一番怖いんです。
わが家の前提
築22年の中古戸建てを買いました。売主さんがまだ住んでいる物件で、退去のタイミングを待つ必要がありました。そのため、売買契約から引渡しまで、かなり間が空きました。
中古の売買契約から引渡しまでは、ふつう1〜2ヶ月です。わが家は、それよりずっと長く待ちました。
「そんなに待てるなら、住宅ローンをじっくり比べられたでしょ」
そう思いますよね。私もそう思っていました。間に合いませんでした。その話を、保証料の説明とあわせてしていきます。
住宅ローンの保証料とは?
まず、いちばん大事なところから。
そもそも、何のためのお金なのか
住宅ローンが返せなくなったとき、保証会社が代わりに銀行へ返済します。そのための費用が保証料です。
つまり、払う相手は保証会社で、守られるのは銀行です。
自分や家族のための保険ではありません(それは団信の役目です)。
しかも、保証会社が代わりに返してくれても、借金が消えるわけではありません。返済先が銀行から保証会社に変わるだけです。ここ、私は誤解していました。
住宅ローンの保証料はいくら?
払い方が2つあり、金額の考え方が変わります。
| 方式 | 払い方 | 目安 |
|---|---|---|
| 外枠方式(一括) | 契約時に現金で一括 | 借入額の2%程度 |
| 内枠方式(分割) | 金利に上乗せして毎月 | 金利+0.2%程度 |
借入3,000万円で外枠方式なら、60万円前後が目安です。
(※あくまで一般的な目安です。金融機関・借入額・返済期間・審査結果によって変わります)
数十万円です。決して小さくない金額です。
住宅ローンの保証料はいつ払う?
外枠方式なら、融資が実行される日=引渡し日に、諸費用の一部として現金で払います。
つまり——手付金でもなく、頭金でもなく、そのタイミングで別に必要になるお金です。私が「これ、けっこう大きい金額だな」と気づいたのも、まさにここでした。
保証料と事務手数料の違いは?
ここがいちばんややこしいところです。
ネット銀行を中心に、「保証料0円」の住宅ローンがあります。 ただし代わりに事務手数料がかかり、**借入額×2.2%**という設定が多いです。
整理するとこうなります。
| タイプ | 保証料 | 事務手数料 |
|---|---|---|
| 地銀・信金など | 2%程度 | 数万円 |
| ネット銀行など | 0円 | 2.2%程度 |
| 事務手数料が定額のタイプ | — | 数万円(そのぶん金利がやや高め) |
「保証料0円」は、無料という意味ではありません。 名前が変わって、事務手数料の側に乗っているだけのことが多いです。
そして——このどれも、金利には表れません。 だから、金利だけを見ていると、まるごと見落とします。私がそうでした。
団信の保障範囲(三大疾病まで付くかなど)も、同じく金利表には出てきません。
私は、金利しか見ていませんでした
ここから、私の体験です。
契約から少し経ったころ、不動産会社さんが複数の金融機関に事前審査を出してくれました。信用金庫、地方銀行、JA——何社かまとめてです。
そして、結果の一覧を見せてもらいました。
正直に言うと、その表に何が書いてあったのか、私はよく覚えていません。
覚えているのは、JAがいちばん安かった、ということだけです。だからその場でJAに決めました。
保証料の欄があったのかもしれません。なかったのかもしれません。私が金利しか見ていなかったので、分からないんです。
いま思えば、この一覧を作るのは手間のかかる仕事です。何社にも書類を出して、結果を集めて、並べてくれた。ありがたい仕事でした。悪いのは、それを金利の数字としてしか見なかった、私の目のほうです。
「保証料」を、ちゃんと見たのは引渡しの直前でした
引渡しが近づいたころ、私はようやく不安になりました(この話は後半でします)。
そのやりとりの中で、条件をあらためて確認しました。そこに、こう書いてありました。
「保証料 借入金 × ◯%」
借入額の1〜2%台。数千万円の1〜2%台。数十万円です。
この費用は、たぶん最初から資料のどこかに書いてありました。 重要事項説明書か、ローンのチラシか、諸費用の概算表か。むしろ書いていないほうが不自然です。
つまり——保証料という言葉は、ずっと目の前にあったんです。私が金利しか見ていなかったので、素通りしていただけでした。
誰も隠していません。私が、見ていなかっただけです。
なぜ、見えなかったのか
自分でも不思議だったので、あとから考えました。理由は2つあると思います。
1. 数千万円の横だと、数十万円が消えます
もし「保証料60万円です」と単体で言われたら、私は絶対に「60万!?」と驚いていました。でも「3,000万円」の隣に置かれた瞬間、見えなくなる。しかも「2%」という書き方だと、なおさら小さく見えます。
家を買うときの金額感覚は、完全に狂っています。
2. 頭の容量が、もう埋まっています
物件、間取り、リフォームの見積もり、金利、引越し、荷造り。全部同時に走っています。
保証料が入る隙間が、頭の中にないんです。
だから「家を買うとき、保証料って気にしないですよね」という話になる。気にしないんじゃなくて、気にする余裕がない。
保証料の差は、わずかな金利差を飲み込みます
私が順位をつけた決め手は、ほんのわずかな金利の差でした。
でも、外枠方式の保証料およそ2%は、金利に換算するとおよそ0.2%相当と言われています(内枠方式が「金利+0.2%程度」であることから、そう整理されています)。借入額や返済期間によって変わるので、あくまで目安です。
それでも——
保証料の差だけで、わずかな金利差でつけた順位は、簡単にひっくり返ります。
だから、住宅ローンを比較するときに本当に見るべきなのは、金利ではなく——
「金利+保証料+事務手数料」を含めた、総額でした。
金利だけを比べるのは、値札の一部だけを見て買い物をするようなものだったんです。
時間はあったのに、間に合いませんでした
では、なぜ最後まで気づけなかったのか。時間がなかったわけではありません。むしろ、たっぷりありました。
まず、大前提として知っておいてほしいことがあります。
住宅ローンの金利は、申し込んだ日ではなく、融資が実行される日——つまり引渡し日の金利で決まります。(フラット35とほとんどの民間ローンがこの方式です)
わが家は、審査から引渡しまでかなり間が空きました。つまり、先に「いちばん安い」と判断した根拠は、そのままでは効かないんです。
不動産会社さんからも、審査のときに言われていました。「引渡しがまだ先だから、直前にまたあらためて条件を出してもらいましょう」と。
正しいアドバイスでした。 でも私は、これを「不動産会社さんがやってくれること」だと思っていました。不動産会社さんも、目の前の段取りに追われていたのだと思います。
そして、そのボールは、宙に浮いたままになりました。しばらく、何も起きませんでした。
引渡し前に、自分から連絡しました
不安になって、自分から連絡しました。当時の私は、こんなことを聞いています。
- 時間が経っているけれど、他の銀行と比べても、やっぱりJAでよかったのか
- 早くに1本に絞りすぎたのではないか
- 今から他行と比べるには、もう遅すぎるのか
読み返して思うのは、質問そのものは合っていたということです。「早くに1本に絞りすぎたのでは」——問題の場所を、正確に言い当てています。
足りなかったのは、タイミングだけでした。
ちなみに、住宅ローンは代行の手数料をこちらが払って、不動産会社さんに段取りをお願いしていました。だから本当は、もっと早く、遠慮なく「もう一度比べてください」と言ってよかったんです。それでも私は「今さら言っていいのかな」とためらってしまった。手数料を払っている側なのに、です。
そして、正直に言うと——この土壇場のお願いは、かなり面倒な依頼だったはずです。日程もぎりぎりで、「もう無理です」と突っぱねられても仕方のない状況でした。それでも動いてくれた。最後にどう動いてくれるかは、不動産会社さん選びで本当に大事なところだと、あとから思いました。この「担当さんの見分け方」については、中古戸建ての探し方・不動産会社の選び方のほうに詳しく書いています。
「日程的に難しい」と、正直に言われました
不動産会社さんの返事は、こういう内容でした。
他の銀行と比べ直すことはできる。ただし本申込みからやり直すことになるので、引渡しまでの日程を考えると、かなり難しい。
断られたわけではありません。 「やればできる。でも日程は厳しい」という、正直な説明でした。判断は私に戻されました。
そして「日程が厳しい」は、感覚ではなく計算です。他の銀行に切り替えるなら:
- 事前審査:数日
- 本審査:1〜3週間
- 金消契約(銀行と結ぶ正式なローン契約)の段取り
- 決済・引渡し
合計で1〜2ヶ月。私に残っていた時間では、物理的に無理だったんです。
結局、どうなったか
時間がない中で、他の銀行と比べる余地はもうありませんでした。
そこで不動産会社さんが、すでに審査の通っているJAに対して、駆け引きなしで、一度だけ条件の見直しを掛け合ってくれました。時間がないので、最初から最大限の一手、という形です。
結果——
- 金利を少し下げてもらえた
- 団信に三大疾病の保障がついた
短い時間しかない中で、これは大きかったです。ゼロから審査をやり直す必要がなかったから、間に合いました。
そして、このとき下がったのは「金利」そのものではなく、**「引下げ幅」**という別のものでした。これが後からずっと効いてくるので、詳しくは別記事に書いています。
👉 JA住宅ローンのデメリットは?「おすすめしない」と言われて3年不安だった話
いちばん怖いのは、これです
私は今も、あのときの判断が正しかったのか、確認できません。
- 見せてもらった一覧は、手元にありません(その場で見ただけです)
- 他の銀行の事前審査の結果も、持っていません(不動産会社さん経由で申し込んだので、結果もそちらに集まります)
- そもそも、私は金利しか見ていなかったので、他行の保証料がいくらだったのか、知りようがありません
「損した」なら、金額が分かります。
私の場合、損したかどうかも分からない。それが一番怖いんです。
3年たっても、答え合わせができません。
じゃあ、いつ聞けばよかったのか
最初、私は「審査からしばらく経ったら、もう一度聞きましょう」と書こうとしました。でも——中古を買う人に、そんな余裕はありません。売買契約から引渡しまで1〜2ヶ月が普通です。事前審査、本審査、金消契約、決済。ぜんぶ詰まっています。
たっぷり時間があった私でさえ間に合わなかったんです。1〜2ヶ月の人は、もっと無理です。
だから、答えはこうなります。
金利を見せてもらった、その最初の日に、保証料も事務手数料も一緒に聞いてください。
これから中古を買う人へ、私がやらなかったこと
- 金利を見せられたら、その場で「保証料と事務手数料は?」と聞く
→ 金利だけの比較は、値札の一部しか見ていません(団信の保障範囲もあわせて確認を) - 見せてもらった資料は、写真を撮る
→ その場限りだと、あとで確認できません - 事前審査の結果を、書面でもらう
→ 不動産会社さん経由だと、結果もそちらに集まります - 代行の手数料を払っているなら、遠慮しない
→ 段取りをお願いしている立場です。「もう一度比べて」と言っていいんです
全部、私がやらなかったことです。
最後に、大事な注意です
「交渉すれば下がる」という話ではありません。
金融機関は「交渉」に応じているというより、各社が定めた優遇の条件に合致すれば引き下げが可能、という仕組みです。相談すること自体はできますが、必ず下がるとは限りませんし、限界まで下がるわけでもありません。
わが家の場合は、すでに審査が通っていたこと、担当の方が動いてくれたこと、タイミングが噛み合ったこと——いろいろ重なった結果です。同じことをすれば同じ結果になる、とは言えません。
それでも、聞かなければゼロでした。それだけは確かです。
契約の前に、1冊読んでおくと違います
私が「保証料」という言葉を素通りしたのは、その意味も大きさも、ちゃんと分かっていなかったからです。言葉を知らなければ、目の前にあっても読み飛ばしてしまいます。
私は、選び直せなくなってから、その重さに気づきました。
だから、その場で質問できませんでした。
金利を見せてもらう、その日なら、まだ間に合います。
窓口で質問できる人になるには、質問する言葉を先に持っておくしかありません。契約の前に1冊読んでおくだけで、聞けることがかなり増えます。





